はじめに
僕は、今年都内の物理学科に合格しました。
もともとは、私立大学の文系学部に通っていました。そのため、数3はおろか数2bも壊滅的でした。また、物理と生物に関しても同じです。
しかし、なんとか合格できました。
そこで、今回は、僕が取り組んだ数学の勉強方法をお伝えします。
そのため、基本的に○○という教材をすすめるなどはしていません。
ただし、勉強方法を実践するうえで、○○という教材をどのように使用したのかという具体例は提示しています*1
文系から理転したいと考えている人のお役に立てられたら幸いです。
前提として
そもそも、文系を選んでいるのに理転したいと考えた理由はなぜでしょうか。
この問いに対して、ある程度明確な回答ができない場合、一度じっくりと考えた方が良いと思います。
僕の場合、生命工学の勉強に取り組み、人々の健康に貢献したいという思いがありました。
そのため、勉強自体が苦になりませんでした。
というよりも、正確には、目標があるから淡々と必要なことに取り組んでいけました。
そこで、もしも明確な目標がないままですと、理転する勉強に集中できないかもしれません。だって、もしもこのページをご覧になられている方が大学生ならば、そのまま大学に通い続けても正直、何も問題ないわけですから。それこそ、海外旅行するなりアルバイトするなり、彼氏彼女と付き合う、インターンに参加するなり、色々な経験を積めるわけです。しかし、それでも、勉強に取り組み、理転したいと考えているわけですよね。だからこそ、一度、明確な目標を立てた方が良いと思います。
偉そうなことを言ってすみません。
僕も目標を明確にしなかったことで、方向性を見失った経験があります。そのため、はじめに、アドバイスをさせて頂きました。
数学に取り組む方法
世間では、パターン暗記などという文言があります。
まさに、その通りだと思います。
ただし、基礎学力があってのパターン暗記です。そこを忘れてはなりません。
僕は、もともと数学アレルギーを発症しており、そこを勘違いしていました。
基礎学力とは、教科書に載っている例題、問題のすべてのことです。というか、教科書に載っている説明を含めてすべてです。
このレベルをしっかりと叩きこむうえで、パターン暗記をすることに意味があるとおもいます。
無謀にも僕は都内の国立大学を目指していました。そのため、指導の範囲以外から問題がでることはないと思いました。そして、教科書を徹底的につぶしました。それと同時に、マセマの数学シリーズに取り組みました。
実践1:まずは、おおよその学問の範囲、意味を知ること
僕の場合、数学3など履修したことがありませんでした。
そのため、まずはどんなことが書かれているのかを理解することから始めました。
そして、どうして○○という問題に対して××という公式が使われるのかということを中心に「その意味」を把握することから始めました。
その式が、「なにをやっているのか」、「なにを求めたいのか」という意味付けです。
そのためには、さっさと受験範囲をすべて把握することが一番良いと思います。
把握すると言っても、全てを理解しなければならないというわけではなりません。
はじめは、あくまでも、どこになにが書かれており、その意味は何かというおおまかなものでかまわないと考えます。
例えば、1回目は目次と本文の太字や図だけをざっと見る。似ている言葉や似た数式やつながりがありそうな箇所を確認しておく。
2回目は、目次を疑問文にして、その回答を探すようにして本文を読み進める。
3回目は、どのように公式が使われているのかを確認する。
4回目は、その公式が使われている例題のみを写経する。
5回目は、教科書ガイドを購入して、問題と解答を写経する。
その上で、パターン暗記に入る方が効率が良いと思います。
ここで、アドバイスをしたいことは、はじめから全てを完璧に理解する・暗記する必要はないということです。それを目指した瞬間、気がめいります。
あくまでも、受験で必要なのは、時間内に公式を使って解を求めることです。そのため、演習に取り組む中で、その都度、教科書を復習すればよいと思います。それを繰り返すと、結局、教科書の内容は、理解できるはずです。
実践2:考えて、問題集の写経をする。
手順
1、パターンが網羅されており、かつ、自分に合った問題集を探す
僕の場合は、マセマシリーズが使いやすかったです。
理由としては、2点あります。
1点目は、レベル別に分かれていること
レベル別に分かれているので、自分の到達地点を目指して、1冊1冊を積み上げていくことで、モチベーションの維持になります。チャートのように分厚いものは、1周するまでに、モチベーションが続かないと考え、僕には合いませんでした。ただし、チャートなどの分厚いものでも、裁断機で切るなどして、工夫するのもよいと思います。
2点目は、写経しやすいこと
基本的に、薄くて、写経しやすいように見開きに例題と解答が載っていたからです。
問題と解答が別冊になっているものは、写経しづらいので、避けました。
以下のリンクは、大学受験のマセマシリーズです。
レベル別に分かれているので、端的に感想を述べます。
まず、ここには、載せていないのですが、「初めから始める」という最も難易度の優しいものがあります。レベルは、教科書の例題です。そのため、教科書を写経した人は、飛ばしても良いと思います。
次に、難易度が優しいのは、「元気が出る」です。
このレベルは、入試で出題される問題でその分野で最も優しい問題で構成されています。理転を考えている人は、絶対に落としてはいけないレベルです。たとえ、語学が得意で、戦略的に物化生を重点的に勉強している人でも落としてはなりません。
あえて文系の人が勉強してきた地歴で例えると、年代やその時代の重要人物や重要事項と言ったレベルで押さえておかなければならない基本的なものです。例えば、1789年、フランス革命と言ったレベルの必須的なものです。だって、基本事項がわからないと記述、論述の時にその重要事項によってどのような影響があったかなどの考察問題がとけませんよね。
それと同様で、「元気が出る」の問題は、いわゆる導入問題です。そのため、このレベルが解けないと、次の問題を考えるための材料が足りないことになります。それは、非常にまずいので、きっちりと押さえましょう。
また、問題集も売っているので、弱点の分野を補強する意味で僕は使用しました。
その次の難易度が、「合格」です。
このレベルは、入試で出題される頻出、標準の問題で構成されています。そのため、これらに載っている問題を解けるようになれば、いわゆる解法、パターン暗記はほとんど完成といえるのではないでしょうか。
ただし、問題は、本番で解法がとっさに使いこなせないと意味がないという点です。そのため、僕は、とっさに解法の流れが頭に思い浮かぶまで繰り返して復習しました。あとは、うろ覚えの部分を教科書で再度確認しました。
また、整数問題や複素数平面など、分野によっては、問題数が不十分だと感じる場合は、別途、問題集に取り組んだ方がよいです。そこの配分は、各自志望校の過去問を分析してください。
もしも旧帝大以上のレベルの学部に理転したい場合は、合格以降のマセマシリーズも全て解けるようになりましょう。僕の場合、一応参考程度に3周しました。ただし、志望校よりも問題のレベルが難しい(解法を3つ以上組み合わせる問題かつ思考力が必要な問題など)と感じたため、完璧に覚えませんでした。おそらくですが、このレベルは余裕で解けないと旧帝大のレベルには対処できないでしょう。他の教科(特に、物理、化学、生物)も対策しないといけないことも考えると、1年でかつバイトや大学に通いながらだと相当努力しないとこなせないと思います。気合いを入れて、冷静に無理のないように取り組みましょう。
2、問題集の問題数を書き出す
3、その分の数だけ、エクセルやスプレットシートや方眼紙に番号を振る。また、日付も振っておく。自分の目指すべき大学の入試日を囲っておく。
4、逆算して、いつまでに何だい写経し終えるか、また演習に移行するか考える。
5、1度目は問題集の問題と解答を見ながら写経する。意味を考えながら、できるだけ多くの式を早く写経する。間違えた箇所は、正確に書き加える。終えたら、エクセルなどを塗りつぶす。そのようにして、可視化することで、モチベーションを維持するように心掛ける。
6、2度目は問題文を見て、どのような公式を使っているのか思い出す。また、思い出しながら、解答を再現する。ちらちらと解答を確認しながら、できるだけ自分の頭で意味を考えながら写経する。この時、腑に落ちない箇所、思い出せなかった箇所を付箋などでチェックする。そして、該当箇所を読み直す。それでも意味不明な場合、該当箇所の教科書や参考書(数学ガールやnewtonの別冊やその他の受験教材)を読む。終えたら、セルなどを塗る。
7、3度目は問題文を見て、解法を思い出す。そして、できるだけ解答を見ないようにしながら写経する。また、チェックした所を意識しながら写経する。思い出せない箇所はチェックして、後日復習する。最後に、セルを塗る
8、復習、繰り返す。
*ただし、何度も写経するのは、時間の無駄なので、解答作成につまずいた前後だけや頭の中だけで解答を思い浮かべるなど、それぞれ工夫できる点はあるかなと思います。
実践3 :過去問分析
できるだけ早いうちから、志望する大学の過去問に触れることを意識した方だ良いと思います。
別に、今すぐに解ける必要はないのです。ただ、今まで写経してきた問題がどのように過去問の解答で使われているか把握することは大事です。
そして、傾向をつかみましょう。
例えば、やたらとド・モアブルの定理が出題されるな、とかがわかれば、解法暗記のときにもここは大事だなとモチベーションが上がります。また、例えば、空間図形と領域を求める問題だと思ったら、次は、回転体の体積を求める必要があるなとか、問題の繋がりというか流れも勉強になります。
そう言った意味で、「演習期間(準備)」を先延ばしにしないで、早くから過去問に触れましょう。
また、同時に外部模試も受けましょう。アウトプット重視です。時間内に正確に早く解答する練習は大事だと思いますので。また、模試の結果については、間違えた箇所とどうしてその問題が解けなかったのかを分析しました。そのため、偏差値などはいっさい無視しました。というよりも、正確には、偏差値を気にしていたら凹むだけなので、スルーしました(笑)。
分析する時は、以下の2点に気を付けました。
1点目、写経した問題かどうか。
2点目、目指している志望校のレベルよりも高い問題ではないのか。
1点目については、これまでに取り組んできた問題かどうか、ということです。
つまり、写経した問題であった場合は、もう一度復習するということです。その模試の時に、理解不足で解けなかったのか、あるいはただ覚えていなかっただけなのかそもそも解く問題を勘違いしていたのではないかなど分析しました。
2点目については、いわゆる医学部や旧帝大のレベルの問題です。
問題を分析し、思考力と複数の解法を組み合わせて取り組む必要のある問題の場合は、参考程度にとどめました。僕の場合、偏差値で言うと60から63くらいの志望校だったので、そこまでレベルの高い問題は必要ないと考え、捨てました。そのかわり、基礎的な問題は零さないように勉強しました。
おわりに
文系から理転する場合、数学が何よりもハードルというかネックです。
そのため、まずは数学を攻略するのが良いと思います。
ちなみに、僕は、受験勉強途中で大学のマセマシリーズに手を出すというナンセンスを犯しました(笑)。数学が思いのほか面白いと感じたので。そんなことしているから、他の科目がおろそかになり、第一志望は落ちたのですけどね(笑)。
需要があれば、僕が取り組んだ物理の勉強方法もお伝えいたしますね。
*1:そもそも、教材は自分の目で見て、自分の使いやすいものを使用するのが一番だからです。もちろん、ある教材に対する誰かのレヴューを参考にしてもよいと思います。ただし、あくまでも他人の評価であることを考慮するべきです。なぜならば、その人が使いにくいあるいは逆に使いやすいからと言って、自分がその通りだとは限らないからです。したがって、参考程度にとどめるべきです。