はじめに
みなさんはフェルミ推定という言葉を聞いたことがありますか。
よくコンサル等の就活面接等で度々求められる思考法です。
実は、企画系のお仕事でも度々使用することはありますが、今回はお仕事で使うだけでなく、推理力を鍛えるためのツールとしても使えるのではないかと思い、この記事を書きました。
推理力を鍛えたい人は必見です。
こんな人におすすめ
- 推理力を鍛えたい人
- 思考力を鍛えたい人
- フェルミ推定を知りたい人
フェルミ推定とは何か
一般的には、以下のように定義されています。
フェルミ推定(フェルミすいてい、英: Fermi estimate)とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
私なりに言語化すると、フェルミ推定とは、
未知の量・数字を計算するために、常識や知識や経験等を総動員して結論を出すこと、
であると考えます。
ちなみに、WIKIに載っている定義の中で違和感が「短時間で概算すること」という部分にありました。
そのため、「短時間」の定義はさておき、必ずしも数秒や数分単位で結論を出すことって就活の面接でない限り、少なくとも私が接する企画系のお仕事ではあまりないので、「短時間」の部分は削りました。
閑話休題。
このフェルミ推定と推理の接点について
推理とフェルミ推定の関係は、フェルミ推定を包含する関係にあると思います。
下記に一般的な推理とフェルミ推定の定義を分解して、対比してみました。
一般的に、推理とは、特に数字を出すことなど、特定の目的に絞られているわけではないですよね。
例えば、薬で小さな身体となってしまった某少年探偵のように「犯人」を推理することもあれば、天才物理学者の如く「なぜその事象が起きたのか」を解明することもあります。
一方で、フェルミ推定は「未知の量・数字」を計算するために用いられる思考法であると考えられます。
そのため、フェルミ推定と推理の関係性は、フェルミ推定が推理の下位概念に位置付けられると言えそうですね。
フェルミ推定を用いるメリット
ここで、フェルミ推定のメリットを見ていきます。
大きく2つあると考えます。
- 「調査することができないようなフワッとした規模感」を捉えるのには強いこと
- フレームワークとして、新たなお題に対してゼロから考える必要性がほぼないこと
「調査することができないようなフワッとした規模感」を捉えるのには強いこと
一般的に、言われることですが、「調査することができないようなフワッとした規模感」を捉えるのには強い思考法だと言えます。
例えば、よく「アメリカのシカゴには何人のピアノの調律師がいるか?」という例題が挙げられます。このような漠然とした問いに対して、それぞれ数値を仮定して(シカゴの人口を300万人とする、等)、推論していきます。
要するに、お題を因数分解していき、ある程度のしっくりとくるようなところまで行ったら、計算する、ということです。
そのため、お題をある程度分解して、考察して、前提となる知識や経験を総動員して、当てはめていき計算することで、答えを導き出すことができるので、細かな誤差を気にする必要はないです。
これは、推理する場面として、例えば証拠、状況等を分解して観察することの能力を高めるための訓練になるのではないでしょうか。
フレームワークとして、新たなお題に対してゼロから考える必要性がほぼないこと
語弊があるので、正確に述べると、ある程度因数分解をする際にパターンがあるようです。
例えば、ビジネスでは、「商圏」「駅」「面積」「キャパシティ」「レジ」等のある程度、因数分解するさいの定式のようなもの存在します。
正直なところ、推理パターンは研究していないので、よくわかっていない部分もあるのですが、もしかしたら、ある程度定式化できるのではないか、と思います。
そこら辺は、物語論とかの本読めば、物語の構造化を分解するときのコツがわかるのでしょうかね。すみません、これから勉強していきます。
ちなみに、因数分解をどこまでするか、ですが、基本的に細かくし過ぎてもよくわからない数字になる場合が多いため、ある程度の規模感で区切ることをお勧めします。
これは下記のおすすめの本にも載っていることですが、細かい数字を見せる相手がその数字にピンとくる・把握できる(対比できる)ほどにしないと、細か過ぎて伝わらないと言う場面が往々にしてあります。
市場調査をするときに、50万程度とかまででして絞ってもあまり意味ないというか、意思決定に使えるところじゃないなと感じました。実際、僕も上司に突っ込まれた経験があります。「結局どう言うことなの?」と疑問を呈されてしまったことがありました。
まあ、見せ方も悪かったので、それも反省点ですが。
閑話休題。
フェルミ推定を用いるデメリット
最も厄介なデメリットは、「誤差」です。
お題に対して、前提・仮定の方向性が間違ってしまうと、その後の知識や常識・経験等を総動員して結論を出しても、その結論に誤差が生じる可能性が高いことです。
どういうことかと言うと、例えば、「サッカー人口は?」と言うような問いの場合(フットサル人口ではない!)、「学生」+「社会人」と置き、さらに「学生」=「部活、サークルの数」*「所属する人数」〜と言うように分解していくことができます。
しかしこの時に、例えば、社会人の場合は、単にサークル等のコミュニティと置けるでしょうか。おそらく現実をそのまま反映できないでしょう。少なくとも、競技に打ち込める年齢=期間があり、その上で、離脱しない率をかける必要がありそうですよね。
このように分解をする際、あるいは数字を置くときに、その時点で推論の方法が異なると、当然ながら導き出される数字にも誤差が生じてしまいます。
従って、誤差がデメリットかなと思います。
まあ、いずれにしても結論を出すこと自体はできるので、その結論に納得できるかどうかはロジックの問題や説明力の問題なんでしょうがね。。。
おすすめの本
おわりに
まとまりないですが、フェルミ推定が推理力を鍛えるための一つの方法かなと思ったので記事にしました。
ちなみに、もしも新卒の方でこの記事をお読みになっている方がいる場合、コンサル系では、フェルミ推定を用いて課題が出されることがあるようですので、対策をお勧めします(なんと浅いアドバイス!?)。