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【転職・体験談】IT業界から非IT業界の巨大JTCに転職した話。これからIT業界から非IT業界に転職する/したいバックオフィス勤務の人(20代)に向けて

はじめに

身も蓋もない話ですが、異業種への転職は色々とギャップがあるから覚悟していないと後悔するよね、という話です。

 

「何を当たり前のことを言っているんだ?」と思われるかもしれませんが、まあ、最後まで話を聞いてください。

 

例えば、巨大な上場企業の割には思った以上にIT化が進んでいないし、社内の本社部門にIT化(例えば、業務改善)に反対している人たちが割と多い、ということです。

 

「え、何を今更言っているんだ?」と聞こえてきますが、いや、IT企業でバックオフィス勤務だった身としてはかなり驚きました。前職の営業部隊の人たちが苦労するのもわかる・・・

 

その驚き(マイナスの面ばかりですが、プラスの面)を共有できたらと思います。

 

背景

転職するつもりでしたが、(ITにかなり投資している+近しい業務内容でよりお金を生み出せそうな環境で働ける)良い条件の会社に巡り会えていませんでした。

 

そんなとある日、ビ◯リーチ経由でとある上場企業(巨大なJTC)からスカウトが来ました。

 

まさにドンピシャな求人で、スカウトを受けることにしました(厳密にはスカウトというよりも役員面接はあったため選考はされました)

 

その時は、輝かしい未来を掴み取る(というよりも、生き生きと働いている)自分の姿を思い描いていたのですが・・・

 

覚悟したほうがよいこと

圧倒的な紙文化

IT企業のバックオフィスで働いていると、紙とご対面することはほぼない(全くないとは言わない)と思います。それこそ基本的にはドキュメント類はBoxやクラウドサービスに保存するなり共有するなりして、個人的に書類を印刷して最終確認するだとか、そういうレベル感が多いと思います。

 

しかし、今の会社は前提が紙!ペーパーレスという言葉を聞いたこともないかのように圧倒的に紙、紙、紙・・・見渡す限り紙の山。

 

いや、ここ本社部門ですよね・・・?

現場の人たちが紙じゃなければ仕事ができないとかなら理解できるが・・・

 

本社は一人一端末PC(FAT端末)が貸与されているのに・・・紙の書類を印刷する/提出させる/配る/保管する(法律で保存が決まっていない書類ですらそうする、という話)。

 

もちろん、例えば、内部監査の時に紙の方が「これです!」と現物を見せて示しやすいのはわかりますが・・・別にクラウドに保存したファイルをPCの画面上で見せればよくない?(てか、前職はそんな対応だったような・・・)

 

一番驚いたのは、分厚い何百ページにわたる書類を配られたこと・・・

会社からの貸与物になるため勝手に処分もできない・・・

そのくせ普段は使わないし、ポータルサイトのドキュメントを見ればわかる・・・

(当たり前だが、会社からの貸与物を無くしたら始末書の提出や減給等がある・・・)

 

社内システムが古いし、圧倒的に使いづらい

「お前は何を当たり前のことを言っているんだ?」と言われそうですが、そういう次元の話じゃないです。

 

まず中途半端なポータルサイトだから、何がどこにあるかわからないという・・・

SharePointで簡易的なポータルサイト構築して、情報とファイル共有レベルでもよくね?あとは、Formsでワークフロー作れば、シンプルなのに・・・

 

他にも電子申請をしたのに別途紙の書類を提出する必要があるが、電子申請の画面に電子データを添付すればよいのに・・・なぜ?と思うこともあります。

 

まあ、システムを刷新したほうがいいでしょ。

(というか中計や株主さんに示しているITへの投資って、どこに消えているの?)

 

本気でそのように感じるレベル感で使い勝手の悪いというよりも、ユーザー視点ではないシステムを使っています。

 

だから情シスに操作マニュアルについて窓口に聞いても「(私は)わからないですね〜」とたらい回しにされた挙句、結局、(巨大JTCだから2〜3年で担当者が別部門に異動した)前任者に個別にアポを取って聞くことになります。

 

2〜3年のジョブローテ

中途採用だと、基本的に専門の仕事をすることになると思います(当然、前職の経験を買われて入社しているのですから、専門以外の業務を任されても困りますが・・・)。ただし、それは貴方だけの話です。

 

周囲の同僚、上司は消えていきます。いわゆる総合職だからです(残念ながらというか幸運にも・・・なぜか私も総合職採用です)。

 

これがかなり厄介です。後任者は前任者のやり方をそのまま踏襲していくわけですが、まあ、業務が形骸化していきます。

 

というよりも、まずIT業界のように「ドキュメントを残す」という文化がないです(どのJTCも該当するとは思わないけど、弊社はほぼ残さない)。

 

「いやいや、業務フロー図とか何かしら案件に関連するドキュメントくらいあるでしょ」と聞こえてきましたが・・・もちろん、(断片的に)存在します。

 

ただし、初めて業務をする人(案件にアサインされる人)に対するドキュメントになっていないです。作成者の自己満足ドキュメントもどきが残されています(笑)。ドキュメントのレビューがチームメンバーからされたことがないものが残っている感じです。

 

例えば、ドキュメントの作成者が、独自の用語を脈絡もなく(定義されることもなく)使っていることなど当たり前のようにあります。

 

そしてここにトラップが潜んでいます。

以前の会社で培ってきた経験(を少しアレンジ)で仕事を補完しようとすると、大抵、煙たがれます。(上述の通り、後任者は前任者にアポを取って対応するため、前任者が口を出してくるケースが多い)

 

だったら「はじめからドキュメントとして残しておけ」という感じですね。

 

「後任者は、前任者のやり方をそのまま踏襲していくって言ったじゃん。どうしているの?」・・・はい、口頭伝承です。有史以前のやり方で伝わっていきます。なので、場当たり的にその問題が解決すればOKというイメージです。またよくわからないままに仕事が踏襲されていくことがあります。

 

つまり、本質がわからないから後任者は「業務改善をしない(できない)」という事態に陥ります(そもそも、後任者もジョブローテで2〜3年でいなくなるから「改善なんかしなくてもよくね?面倒でしょ」と思っていることが多い)。

 

「え、でも仕事が回っているならそれでいいじゃん」って聞こえますが、いや、残される側はマジで辛いです。負の遺産ですよ。だって仕事はマンパワーで対処することになるからです。

 

基本的に社内の誰よりも専門性があるはずなのに「非効率的」なやり方でしか業務を進められないジレンマで、モチベーションが下がります。というよりも、弊社の場合、巨大なJTCと言っても中途での入りが圧倒的に少ない(その代わり出ていく若者が多い)ため、「これまでのやり方が正しいから」と保守的な感じが強いです。

 

じゃあ、どうするか。

チームメンバーが徐々に異動して、これまで仕事していた人たちがいなくなったタイミングが鍵です。

 

この時までに徐々に業務改善してしまって、「ドキュメント」として残してしまうことです。

 

逆に言うと、2〜3年で上司も同僚も次々に交代するため、それまでの我慢とも言えますが・・・IT化(システムの導入や業務自体をアウトソーシング)することができないのがイライラします。

 

対面大好き

言葉の通りなのですが、みんな基本対面が大好きです。会議はもちろん、そもそも出社して業務をします。これは本当に驚きました。コロナの流行時期は、Web会議が多くなったと思います。

 

しかし現在は基本出社して、顔を突き合わせて仕事をする感じです(もちろん、本社勤務の話)。

 

リモートもできるが、ほぼ出社勤務です。業界にもよるのでしょうが、弊社は特にそのような傾向が強いです。

 

良い面

悪い面ばかりぐちぐちと書きましたが、非IT業界の巨大JTCの良い面もあります。

 

(IT関連の)仕事がいくらでも作れる

それこそPowerAppsなどのローコード開発で業務改善アプリを作って共有するのもいいし、ITベンダーを選定して新規事業開発するもよし、とにかく色々できます。

 

周囲の人たちのITへの関心やスキルが低いため、課題に対して、ITを使った施作として取り組めば評価されやすい(というよりも、目立ちやすい?)環境です。

 

また、意外とNotionやSlackなどクラウドサービスを使っている部が多いです。ただし、本当に使っているだけ/契約しているだけの感じです。

 

Notionで更新されたらSlackに通知する、など工夫は全くされていないです(なので勝手に連携させた)。

 

2〜3年のジョブローテで人間関係の刷新

すでに述べた通りですが、2〜3年で周囲の人たちは代わります。

そのため、好きな人も嫌いな人も興味がない人も苦手な人も大抵いなくなります。

 

基本的に中途の場合、専門分野の即戦力として入社しているはずなので、自分自身がジョブローテすることはないと思います(もちろん仕事内容に飽きたら異動届は出せると思いますが・・・そのような事例を知りません)。

 

いずれにしても、社内のどこの部門にも知っている顔の人が増えますので、根回しとかはしやすいです(その分人間関係はウェットな印象かもしれないです)

 

一緒に働く人が優秀

巨大JTCの部長(とくに本部長)レベルはかなり頭の回転がはやいし、圧倒的な行動力(体力お化け)なので承認されたら仕事は進めやすいです。そもそも、今は課長(部下持ちの役職者)になるハードルも高いため、その時点で優秀な人が残っていきます。

 

単体だけで何万人という規模なので、上に行けば行くほどふるいにかけられて残っている優秀な人ばかりです(能力的には素晴らしいが、性格が終わっている/パワハラする人も当然います)。

 

(生え抜き社員曰く)役職待遇なのに部下持ちじゃない人は何かしら理由があるのかな、と勘ぐられるみたいです。中途だと知らない人からすると、私も色々思われているのでしょうが考えても仕方がないので知りません。

 

ジョブローテ(総合職)について補足

(生え抜き社員曰く、)2〜3年でジョブローテしていない人は、引取先がないという印象を与えるそうです。

 

仕方がないですが、弊社のような巨大JTCの総合職はすべてできて当たり前(それこそ経理、契約書作成、企画立案・実行、技術営業・・・)といういわゆるジェネラリストを育成していることが多いからです(何か専門を極めていきたい人には本当に向かない環境だと思います)。

 

例えば、子会社に出向して経営企画の仕事をした後に本社で技術営業しています、設計図を書いていた人が今は人事やっています、昨日まで論文書いていた人が僻地の現場に行きました、などあるあるです(マジで普通にあります)。

 

また例えば「新規事業の企画・立案だけ俺はやりたいんだ〜」は困難です。

当然、事務処理の仕事も総合職が行います。自分の施作(専門)だけを行うという概念がそもそも存在しないです。請求書処理を含めた経理事務や総務事務なども総合職が行います。

 

派遣を雇って事務をアウトソーシングするなどしないです(今の部署はそのような方針です)。そのため事務処理のためだけに残業する人も多くマンパワーで解決することが多いです。

 

「え、一般職はいないのか」って思いますよね?はい、弊社の場合本社に(事務系の)一般職はほぼいないです(例えば、財務部/経理部や福利厚生などの担当者レベルに子会社からの100%出向の受け入れ者はいる)。

 

つまり、本社には総合職をサポートする一般事務だけを行う人がいない以上、自分たちで事務をやるしかないです。

 

何が言いたいかというと、大手JTCのバックオフィスに転職するなら「役職」待遇じゃないと(どのポジションで入社するか次第で)、実質的に末端でいいように使いっ走りになる可能性が高いから気をつけた方がよい、ということです。

 

(担当レベルでも配属先の部にお金があり、事務員さんを雇える余裕があればよいのですが・・・入社するまでブラックボックスだから開き直るしかないです)

 

おわりに

あれ・・・IT化は全然進んでいないし、ギャップを感じている話をしたかったのですが、ジョブローテ(総合職)の話ばかりになってしまいました。