はじめに
みなさん、一度は、シャーロック・ホームズのような探偵に憧れたことはありませんか。
最近、映画シャーロック・ホームズ(吹替版)を拝見し、シャーロックホームズに憧れを抱きました。
そんな時に、「推理力を鍛えるためにどのようにすればよいのだろう」と、途方にくれ、推理力や思考力に関する本を探しました。
今回は、独断と偏見で推理力を鍛えるのに役立つと思える書籍を紹介していきます。
そもそも推理力の定義と類型
はじめに、推理力とはどのような力なのかを定義することで、どのような書籍を読めばよいのかとりあえず、方向性を決めたいと思います。
ということで、お堅いですがまずは一般的な定義から確認します。
なるほど、少なくとも推理と言っても様々な推理方法があるようですね。
そこで、次に推理の類型を表でまとめてみました。
上記の推理方法を身に付けるための書籍を読むことで、とりあえずは、推理力に関して、知識的に網羅できると仮定します。
ただし、知識をインプットすることとそれを表現するアウトプットトレーニングは別に必要だと思いますので、その比率は考える必要がありそうですね。
おすすめの書籍
シャーロック・ホームズの推理学
この本は、シャーロックホームズがどのような推理・思考過程をたどっているのかをその当時の科学手法や論理学を紹介しつつ、解説しています。
ちょっと、難解な部分もありますが、推理学=論理学という前提があるので、そこを押さえていれば、少なくともホームズの推理が確率論的な方法であるという筆者の主張を理解できるのかなと思います。
この本を読みことで実践的なノウハウを手にすることができるというわけではなくて、どちらかというと理論的な知識理解を促してくれるような本です。
そのため、より実践的なノウハウを取得したい場合、以下にご紹介する本を読むことをおすすめします。
シャーロック・ホームズの思考術
この本は、ものごとを受動的に吸収するのではなく、意識的に能動的なかかわりを持つための思考術をホームズの方法論を解説することで、確立しようというものです。
まず、これから取り組もうとする問題の概略を把握する(問題点の理解と観察)
つぎに、仮説を生み出す
そして、検証を行い、それらの過程を繰り返すこと
上記の点において、最新の心理学及び脳科学の研究を紹介することで、どのようなことを心掛ければよいのかを解説されています。
例えば、物事を受動的に吸収する際に、その記憶をどのような文脈で符号化すればよいかなどです。
具体的には、漠然と知識を受け入れるのではなく、興味や動機付けをするほうがよいことなどが語られています。
全体的に、わかりやすくかみ砕いて解説されており、実践に移しやすいと思いました。
観察力を磨く 名画読解
この本は、実践的にどのようにものごとを観察し分析すればよいのかということを絵画を通して鍛えようとするものです。
かなり実践的です。
ものごとを2度見る際のコツだったり、バイアスを外すことを心掛けるコツだったりを解説しています。
例えば、全体を観察して細部に注目する際に、どのような自分の思考の癖があるのかに気付かせてくれます。
この本を読んだ後は、ものごとをみるさいのポイントを常に意識して生活することができるかなと思います。
上記の本を読み実践し続ければ、普段の勉強、研究だったり人間関係だったり、無意識に全体と細部の観察をしている自分がいることに気が付きます。
(もちろん、友だちの身に付けるものがハイブランドに変わって、経済力があがったなとか、口に出して変化を指摘するとやばい人になるので言いませんが)
むしろ、自分はいままでどれほど周囲の変化に無関心だったのかということに気が付き、驚きました。
名画を見る眼
上述、『名画読解』を読んだけど、物足りない場合は、この本で演習を積むことをお勧めします。
15題ほど絵画が載っています。
必ずページをめくる手を止めて、絵画を観察、考察してから、解説を読むと驚きと発見ばかりで面白いです。
(一部、『名画読解』と被る作品もあります)
論理トレーニング101題
この本は、思考を表現する力や表現された思考を読み解く力を身に付けるための書籍です。巷では、受験用の小論文対策の本としても紹介されているようです。
これまでは、どう論理的な推理をするのかという方法論的な本を紹介してきましたが、やはり、思考した推理を表現する必要があります。
そこで、この本に取り組むことで、論理的なつながりを表現する力を身に付けようということです。
例えば、接続詞の使い分けだったり、議論の骨格を把握することや論証の流れを把握する力を身に付けることができます。
表題のとおり、練習問題が101題あるため、十分に訓練することが可能かなと思います。
新版 論理トレーニング
上述の「論理トレーニング101題」と同じ著者による本です。
こちらは、大学の教科書として指定されることがあるようですが、解説が詳細になされており、わかりやすいです。
基本的には、内容が重複するため、「論理トレーニング101題」をしっかりと取り組めば、こちらの本は省いてもよいかなと思います。
問題演習の数が少ないため、ささっと表現力を見つけたいという場合や時間を省きたいかたにはおすすめです。
【追記】2022年追加
Newton 大図鑑シリーズ 数学パズル大図鑑
この本は、どちらと言えば、推理というよりも、数学的?な発想を鍛えるのに適していると思います。
あえて抽象化すると、物事の法則性や隠れた背景を読み解く訓練になるのではないかと思います。
柔軟な思考力を鍛えるのに適していると思いました。
そういった意味では、他のパズル本もありますが、今回は割愛します。
フェルミ推定の技術
この本は、問題解決の思考法であるフェルミ推定について解説されている本になります。
フェルミ推定が直接的に推理力であると言えないかもしれないですが、推理するまでに到達する思考方法を学べると思いました。
例えば、事象を因数分解するコツが載っていたりと、おすすめです。
詳細は別記事に書きましたので、よろしければ一読ください。
おわりに
今回は、推理力を身に付けることができるおすすめの本を紹介しました。
ぜひ参考にしてみて下さい。
実は、公務員試験のような判断推理や数的推理の問題集を紹介しようかと迷いましたが、ちょっと「お勉強より」な気がしたので、省きました