はじめに
『思考の整理学』は、だいぶ前に購入していたのですが、読んでいませんでした。
今回は、それを思い出したので、読みました。
評価
大変良い
思考の整理という知的活動について、深く理解できます。
この本の目的
グライダー兼飛行機能力を身につけること
感想
単刀直入に言って、大変ためになりました。
積極性について
まず、積極性に関する記述がありました。
これが、非常に興味深いなと思いました。
積極性を身につけさせるためには、全てを教えないという「教え惜しみ」と頭と体を使って、覚えさせるということが重要なのだそうです。
筆者は、現代の教育と武道の秘伝の継承を例にして比較しています。
この例えが、すごくしっくりきました。
僕自身、小学生の頃、柔道を習っていました。
その当時を振り返ると、確かに、先生は、手取り足取り全てを教えるというより、
見て盗め、というスタンスだった気がします。
実際、先生が意図してそうしていたのか。
あるいは、ただ単に、職人気質のためだったのかはわかりませんが(笑)。
僕自身、まだ教わる側の立場なのですが、
何でもかんでも手取り足取り教わろうとするのではなく、
良いところは盗むという気持ちで、日々生活しようとおもいました。
やはり、主体性がないと、知識を知恵に変えることはできないし、
遊び心がないとつまらないですよね。
そんな事を教えてくれた気がします。
アイデアと寝かすことについて
僕自身、読書が好きで、よく本を読みます。
適切な表現かどうかわかりませんが、知識収集も好きです。
そのような知識を集めることを、一次的活動と言うそうです。
そして、そのような知識を知恵に変えるために、加工をする技術を「二次的活動」と言うそうです。
例えば、知識と知識を組み合わせる能力のことですね。
やはりそのような編集能力もアイデアを作るために必要なのですね。
僕自身、ついつい知識を集めることに必死になって、その知識を加工することについてはぜんぜん考えていませんでした。この機会に、これまで学んでいた人類学の知識とこれから学ぶ分野を面白く組み合わせることができるように、心がけようと思います。実際、使い物になるかどうかは別として(笑)。
そして、アイデアを寝かすことも大切だそうです。
つまり、アイデアのことを一旦は忘れる、無意識の時間が必要だと。
面白いのは、意識的に「無意識の時間」を作ることで、アイデアを発展させることができる点です。
意識的に、考えない時間を作るという、ある種の強制力を持たせることできるとは思いませんでした。
加えて、ものを考えるということは、心をゆったりと、自由に、そして、小さな自我を抑えることが大切だそうです。
確かに、がっつくと良くありませんよね。
思考が固まるというか視野が狭くなるというのでしょうか。
問題に対して、同じロジックで、同じ結論を出してしまいます。
例えば、そう。あれは1年前の出来事でしたーー以下略。
発想について
発想がおもしろい、おもしろくないという言葉がありますよね。
僕がおもしろいと思ったのは、「発想の元は個性」という部分です。
発想とは、知識だったり事象が複合的に合わさって、生まれてくる物だということです。
そうなると、発想がおもしろい、おもしろくないというのは、正確には、知識や事象の組み合わせやその他の工夫が良い、悪いということですよね。
つまり、技術的な問題なんだとわかった点です。
技術的なものであるならば、才能がある、ないに限らず、適切に訓練さえすれば、一定の水準まで能力を引き上げることが可能ということですよね。
そうであるならば、これからの専門分野でもなんとかやっていけそうな気がします。
知的活動について
知的活動には、3つあるそうです。
- 既知の再認
- 未知の理解
- まったく新しいものに挑戦すること
当たり前かもしれませんが、その3つを意識して行動しようと思いました。
例えば、本を読む際です。
既知の分野なのか。それとも分野は同じでも最新の情報を収集するためなのか。それとも異分野なのか。それによって、拾い読みするのか、要約だけ読むのか、精読するのか変わりますよね。
そんな当然のことでさえ、僕は考えていませんでした。
今までの非効率な行動は改善していきます。
おわりに
これは、これからも何度も読み返す本ですね。
この本に書かれていることが、実践できているかどうかチェックするために、定期的に読み返します。