はじめに
今回は、僕の独断と偏見でおすすめの洋書を紹介します。できるだけ、小説から雑誌記事、論文、専門書まで様々なものを紹介いたします。そのため、一部、雑誌記事や論文や調査結果などインターネット上で入手可能なものを含みます。
その前に、僕なりの洋書の選び方を紹介します。
僕の思う洋書を選ぶ際のおすすめの観点
- 自分のレベルの少し上を選ぶこと
- 目的によって、読むジャンルを選択するということ
- 紙媒体か電子書籍か:電子書籍をお勧めします
- 習慣化できそうな本を選ぶということ
自分のレベルの少し上の洋書を選ぶこと
もしも、英語学習のために洋書を読もうと考えている人がいらっしゃれば、ぜひ現在の自分のレベルよりも少しだけ難しいなと思えるものを選ぶことをお勧めします。少しだけというのがポイントです。なぜならば、簡単な文章を多くこなすことはもちろん意味のあることだと思いますが、それはあくまでも英語脳を作り上げるためだと思うからです。
日本語に訳さずに英文を英文のまま理解するという訓練と併せて語彙力や微妙なニュアンスの違いなどを汲み取る力、それらをインプットするのは、自分の少し難しいなと思う本からの方が吸収しやすいと思います。なぜならば、簡単な文章、単語もあり難しい文章、単語も混ざっているからこそ、自分の知らない単語や文章に出会った時にニュアンスを汲み取る推測力が働き、印象に残りやすいと思うからです。
目的によって、読むジャンルを選択するということ
目的によって読むジャンルはかえた方が良いです。例えば、英検やトーフルなどの試験を受験するために、洋書の小説を読もうとすることはおすすめしません。なぜならば、これらの試験では、小説よりもエッセイや論文形式、論説になれる必要があるからです。その場合、スコアアップという点から、論説を読む方が効率が良いでしょう。
一方で、ネイティブスピーカーの生きた表現を学びたい場合は、ベストセラーになっているような一般的な本がよいでしょう。
また、多読をしたい方には、短編集がおすすめです。あるいは、ラダーシリーズもおすすめです。一冊一冊があっという間に読み終える分量なので、多くの文章に触れるという点においては良いと思います。ただし、ラダーシリーズは、レベル別に分かれているとはいっても、全体的に簡単な語彙で構成されているような印象があります。
紙媒体か電子書籍か:電子書籍をお勧めします
英語学習という点において、洋書を読もうとする場合、電子書籍で読むことをお勧めします。
理由は2点あります。
1点目は、勉強しやすいということです。例えば、読んでいく中で分からない単語に出会った時、すぐに辞書をひけます。そして、オリジナルの単語帳をその場で作ることも可能だからです。具体的には、evernoteなどを利用することなどが挙げられます。このように、勉強に移りやすいという点において、本よりも電子書籍をおすすめします。
2点目は、外出先でも、何冊も気軽に持ち歩き読むことができるという点です。一度に複数の本を読む派の人にとっては、かさばらずに書籍を持ち歩けるので楽ですよね。
また、アマゾンプライム会員になると、プライム会員の特典で大量の洋書が読み放題になります。そのため、多読のために洋書を読む場合にかなりお得です。そして、kindleunlimitedという月に980円でkindle本が読み放題の制度もあります。
加えて、プライム会員は、本の読み放題だけでなく、音楽や動画も聴き放題であり、お急ぎ便なども無料で利用できます。そのため、英語のヒヤリング対策にも有効です。非常におすすめです。
とりあえず習慣化できそうな本を選ぶということ
当たり前かもしれませんが、毎日続けないと、英語の感が薄れていきます。そのため、毎日続けることが、英語学習の近道だと思います。そのためには、習慣化できそうな本を選んだ方がよいです。
その観点の一つとして挙げられるのは、読んでいて自分の興味関心が引き付けられるもかどうかということです。そのため、自分の趣味や好きなことが書かれている洋書を読むという方法も有効だと思います。例えば、イギリスのサッカーに興味があれば、今期の注目選手特集が組まれている雑誌を読んでみるなどです。
小説
Fyodor Dostoyevsky ,Crime and Punishment, Penguin Classics
Crime and Punishment (Penguin Classics)
- 作者: Fyodor Dostoyevsky,David McDuff
- 出版社/メーカー: Penguin Classics
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: ペーパーバック
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まずは、ドストエフスキーの『罪と罰』です。
ペンギンクラシックです。ほかの出版社から出ている『罪と罰』の英訳を知らないので何とも言えないのですが、ペンギンクラシックは解説や注が豊富だという印象があります。
そのため、難解な文章でも意外と前文で物語の背景を解説してくれていたりするので、理解できますよ。また、その時代の背景もわかるので教養もつきます。
英語だけでなく教養を身に付けるという点においてもおすすめの1冊です。
Mizuki Nomura, Book Girl and the Suicidal Mime,Yen On
Book Girl and the Suicidal Mime (light novel) (English Edition)
- 作者: Mizuki Nomura
- 出版社/メーカー: Yen On
- 発売日: 2012/12/18
- メディア: Kindle版
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先ほどと打って変わって、ライトノベルの英訳本です。
Yen Onという出版社は、このほかにも様々なライトノベルやマンガの英訳を扱っています。
この本の場合、独白もあるのですが、会話も多いので、スラングや短縮形の勉強になると思います。もちろん、内容自体も面白いので、おすすめです。
また、日本語の文章と比較してみると面白いと思います。
Maurice Leblanc,The Adventures of Arsène Lupin, Gentleman-Thief,Adapted by Miki Terasawa, IBCパブリッシング
怪盗ルパン傑作短編集 The Adventures of Arsène Lupin, Gentleman-Thief (ラダーシリーズ Level 3)
- 作者: モーリス・ルブラン
- 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
- 発売日: 2011/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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多読用として有名なラダーシリーズです。
レベル3は、TOEIC500点から600点、英検準2級の語彙力を持った人に向けて書かれています。そのため、かなり容易に読み通すことができます。レベル4は、TOEIC600点から700点、英検2級程度のレベルです。レベル5は、TOEIC700点以上、英検準1級以上のレベルです。
僕個人的な感想ですが、ラダーシリーズの良い点は、巻末にワードリストが載っていることです。
いちいち電子辞書に打ち込むことなく、いつでもどこでも単語の意味を把握できます。
また、レベルごとに分かれているため、自分のレベルに合ったものを選びやすいということも挙げられます。
専門書・教科書
James A. Hall, Hall’s Dictionary of Subjects and Symbols in Art, Richard d Irwin
Hall's Dictionary of Subjects and Symbols in Art
- 作者: James A. Hall
- 出版社/メーカー: Richard d Irwin
- 発売日: 1985/01/01
- メディア: ペーパーバック
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この本は、西洋絵画で使用されるシンボルを解説している辞書です。
映画『ダヴィンチコード』のように絵画に使用されているシンボルの意味を詳細に解説してあります。そのため、謎解きのような面白さがあります。
そして、西洋絵画を鑑賞する際に、参考にしてみると製作者の意図をつかむきっかけとなると思います。また、図も載っているので、わかりやすいです。通して読むのも良いですし、例えば、bから始まる物だけや興味のあるシンボルだけをつまんで読むのも良いと思います。
Edward B. Tylor, Primitive Culture, Forgotten books
この書籍は、宗教学や人類学の古典です。
内容はというと、この書籍の副題にも現れている通り、「神話」、「哲学」、「宗教」、「言語」、「芸術」、「慣習」などの人類文化の起源と発達はどのようなにして起こったのかということを扱っています。
そして、世界各地の民族の未開文化にかんする資料をまとめています。
日本にも古い時代から民間伝承として伝わってきている宗教形態や民間信仰という儀礼があると思います。そして、この本に扱われている宗教の原初的形態と共通する要素がどのようなところであるのか、あるいはないのかといった観点で読んでみると、面白いと思います。
ちなみに、Forgotten Booksという出版社はかなりおすすめです。
日本だと絶版になっている本が原文で手に入ります。わざわざ昔に訳された高い古本を買うよりかは、こちらから出ている本を買うほうがコストがかからずに済むと思います。
Anthony Giddens, sociology, Polity Press
- 作者: Anthony Giddens,Philip W. Sutton
- 出版社/メーカー: Polity Press
- 発売日: 2017/03/03
- メディア: ペーパーバック
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権威ある社会学者ギデンスによる「社会学」の教科書です。
はじめに断っておきますが、1000ページほどあり、かなり分厚いです。
しかし、本文自体は、簡潔な文章で書かれているため、非常に理解しやすいです。
また、扱っている内容も、貧困問題から健康と多岐に渡っており、教養を身につけるという点においても良いと思います。
また、英検、TOEFLのライティング、スピーキング対策としても有効だと思います。
調査報告書・雑誌記事
Dr Gerda Reith, University of Glasgow with The Scottish Centre for Social Research (ScotCen), Research on the Social of Gambling, 2006
https://www2.gov.scot/Resource/Doc/143770/0036514.pdf
ギャンブルやカジノが社会的にどのような影響を与えているのかを調査した報告書です。もちろん、ギャンブル中毒に関する調査結果も載っています。
トーフルや英検などの筆記、面接対策にも使えると思います。他にも、社会学を専攻している方にも良いと思います。
Jesse Bering ,Would Your Clone Have Its Own Soul, 0r Be a Soulless Version of You? Scientific American (Feb、13,2009)
題名の通り、クローン人間が意思や感情といった人間らしさを持つかいなかに関してのエッセイです。
内容も非常に興味深いのですが、僕がお勧めする理由は、エッセイの構成が勉強になるからです。
このエッセイは、エッセイを書くためのお手本のような文章です。
ブロックごとのつながりだったり、トピックセンテンスのわかりやすさなど、英作文に使える型を学べます。
おわりに
皆さんいかがでしたか。
僕のお勧めする洋書は極端に偏っていますが、参考になりましたでしょうか。
さいごに、一度読んでみたが楽しいと思えない場合、他の本に代えてもよいと思います。
楽しんで、英語学習に取り組みましょう。