迷走ブログ

ファウスト的衝動を抱き、迷走している、凡人による気まぐれブログです。

『愛するということ』の感想。

評価

非常に良い。

大変ためになりました。

価値観が良い方向へと変化しました。

 

筆者の主張

愛することは、技術であり、知力と努力が必要である。

 

 

感想

『愛するということ』という本は、エーリヒ・フロムの著書です。フロムは、ドイツの精神医学、心理学、哲学の専門家です。

 

そのフロムは、愛するということは、技術的なことであると述べています。

 

それだけでは、うん?と首を傾げたくなりますよね。技術と表現されると、どこか「愛」という高尚なものが、俗物的なものになったかのような錯覚さえします。

 

技術ということは、習練すれば、その技術が向上しますよね。

例えば、サッカーならば、毎日走ることで体力を強化したり、ボールテクニックを磨くために練習に励みますよね。そして、試合に臨み、試合の後はミーティングで改善点をチームメイト内で指摘し合いますよね。そのようにして、発展向上していきますよね。

 

これと同じで、フロムは、愛する技術も向上すると述べているわけです。

 

それでは、どうすれば、技術は向上するのか。

フロムは、1、理論に精通すること。2、習練に励むこと。3、自分にとって究極の関心ごとであること、を挙げています。

 

詳しくは、1~3章では、愛に関する理論を展開しています。そして、4章で習練について述べています。

 

理論を理解してから、実践方法を提案しています。そのため、説得力があります。

 

 

1~3章の感想

1~3章では、愛に関する理論を展開しているわけですが、そのなかでも興味深いのは、

 

愛は何よりも与えることであり、もらうことではない[p43]

 

と述べていることです。そして、ただ与えると述べているわけではないのです。自分の中に息づいているものを与えるそうです。例えば、喜び、興味、理解、知識やユーモアなど、自分の中にあるもの(あらゆる表現)、他人を豊かにするものです。

 

確かにそうですよね。マイナスの感情をアウトプットしても、誰も幸福には近づかない気がします。仮に、そのマイナスの感情に共感する人が現れても、自分自身を正当化する(自己保身する)だけで、成長につながらないような気がします。

 

そう、例えば、大した用もないくせに、連絡してくる友達とか(笑)。バイトが嫌ならば、辞めればいいのです……

 

おっと、失敬。

本題に戻ります。

 

 

 フロムは、物質の世界では、たくさん与える人が豊かであると見なされると述べています。

 

確かに、大量生産、大量消費といった、標準化された商品が世界中にはびこっている経済ですから。えっと、人間も標準化や商品化されていますか?例えば、黒のリクルートスーツで面接とかですか?個人的には、別に紺でもいいようなきがしますけど。赤信号みんなで渡れば怖くない!!!(笑)

 

均一化された方は、それが当たり前のことだから、気がつくことが難しいですよね。教育だったりメディアによって、考え方が埋め込まれているわけですから。それに、均一化された集団から離れることは、きっと精神的にも肉体的にも社会的にも負荷がかかりますよね。

 

いずれにしても、個人と集団の問題は、面倒ですね。

 

 

まあ、とにかく、フロムは、愛とは、物質の世界で言うところの、たくさんのものを与えることではないということを述べています。

 

また、与えるという意味で人を愛することができるのは、性格が成熟した人のみだと述べています。成熟した人間は、愛の能動的性質を持っているそうです。愛の性質とは、①配慮、②責任、③尊重、④知のことだそうです。その中でも、なるほど、と思ったのが、「人を尊重するには、その人のことを知らなければならない」ということです。

 

確かに、相手のことを知らなければ、表面的で薄っぺらい尊敬にしかならないですよね。なんか言葉だけで無味乾燥というか、なんというか……

 

とにかく、正しく相手のことを知ることは大切ですよね。そのためには、相手の立場に立って、その人を見ること……つまり、本質を知ることですね。

 

究極的に本質を見抜くのは難しいですよね。

対象物をじっくりと観察して、微妙な変化にも機敏にならないと、見抜けないですよね。だから、ある程度の時間はかかりますよね。

 

 

 

  

また、愛には様々な対象があるそうです。

兄弟愛、母性愛、異性愛、自己愛、神への愛です。

この中でも、興味深いのは、自己愛についてです。

 

自己愛と利己主義は異なるそうです。

自己愛は、本当の意味で自分自身を愛することです。そのためには、自分を尊重する必要があるそうです。自分自身を尊重する事で、かけがえのない存在だと自覚することが重要だと。それに対して、利己主義は、自分自身にしか興味がなく、もらうことにしか喜びを感じない人だそうです。人を利用して恩恵に与ろうとする人ですよね。

 

僕の場合、無意識に、利己主義的な思考や行動をしていないか、自問自答する必要がありそうです。

 

4章の感想

 4章では、習練について述べています。前章までの理論ときて、実践です。そのため、この章は、愛するための具体的な方法論について述べられています。

 

習練に必要なものは、4つあるそうです。

①規律

②集中

③忍耐

④最高の関心

 

特に興味深いのは、①規律と②集中です。

 

規律は、自分の意志で、楽しいと感じられ、やめると物足りなく感じられるくらいになるまで取り組むことが必要だそうです。

 

確かに、最前線の研究とかで残っている素晴らしい結果を残している人たちは、そんな雰囲気を醸し出しているように思いました。

 

 

集中は、瞑想することだったり、

何をするにつけても精神を集中させるよう心掛けなければならない[p168] 

 そうです。

 

つまり、いまここで、全身全霊で、現在を生きることだと。

 

 

 

 

おわりに

とにかく、実践あるのみですね。

 

 

愛するということ 新訳版

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