はじめに
哺乳類において、時間は体重の1/4乗に比例するそうです。
だから、体重が増えると時間は長くなると。
例えば、大きな動物ほど、何をするにも時間がかかるということになるそうです。
そして、哺乳類は、それぞれ体のサイズに応じて、違う時間の単位があるそうです[本川、1992:p4、5]。
……え?お前は、急に何を言っているの?
すみません。
あまりにも興味深いことだったので、はじめに書きました(笑)。
こんな人にお勧め
- 動物の隠された秘密に興味がある人
- 生物学全般に興味がある人
- 生物が好きな人
評価
とてもおもしろいです。
生物学という学問に興味を抱かせます。
おそらく、もしも僕が、高校時代にこの本を読んでいたら、進路を変更していたと思います。
それくらい、感銘を受けました。
この本の目的
動物のサイズが、動物の生き方にいかに大きな影響を与えているか。そして、サイズという視点を通して、生物を、そして人間を理解しようとすること。
感想的なもの
動物のサイズが異なるということ
動物のサイズが異なると、機敏さ、寿命も違ってくることは、なんとなくそうなのだろうなと思っていました。
例えば、ゾウ、ラットやウマなどサイズが異なりますよね。サイズが異なるということは、体内循環の速さや消費エネルギーの総量も違うわけですから、そりゃあ、機敏さや寿命にも差異があるのかなとは思いました。
しかし、一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じそうです。
え、まじか!?という感じです(笑)。
時間と標準代謝量とを掛けて、その時間に使う体重あたりのエネルギー総量を計算してみれば、体重によらず一定になると予想できる[本川、1992:p30]。
例えば、哺乳類の場合だと、心臓が1回打つ間に消費するエネルギー量は体重に関係なく、1キログラムあたり0.738ジュールとなるそうで、一生の間の総エネルギー使用量は15億ジュールになるそうです[本川、1992 : p30]。
詳しい計算方法は、本を確認して見てください。
きっと、納得すると思います。
まあ、とにかく。
一生に使うエネルギー量は、体重1キログラムあたりにすると、寿命の長さによらず、一定になると。
ふむ、なるほど、という感じですね(笑)。
ベルクマンの規則
そして、3章の後半には、なんとベルクマンの規則が出てきます(笑)。
めっちゃ、懐かしいです。1回生の時に、地理学概論?で習いました。
端的に言うと、ベルクマンの規則とは、寒冷地では身体が大きくなるというものです。
ちなみに、寒冷地における身体への影響として、アレンの規則というものもあります。
極寒地では、ずんぐりむっくりした体形やのっぺりした顔などになるというものです。
それが寒気への適応の1例だそうです。
横道に逸れてしまったので、戻ります(笑)。
エネルギーの消費と生物のサイズ
エネルギー消費(標準代謝量)が体重の3/4乗に比例するそうです。
恒温動物でも、変温動物でも、単細胞生物でも、代謝と体重の関係には、そのような規則があるそうです。しかし、理由は明確ではないそうです。
非常に興味深いですよね。
多くの生物にあてはまる経験則があるとは、神秘的です。
他にも、興味深い話がたくさんあります。
5章では、摂食量と体重の関係や摂食したエネルギーのうち、どれくらいのパーセントが成長に消費されて、どれくらいのパーセントが糞として排出されるのかと言った話題です。
8章では、肺の重量や体積は、個体の体重に比例していることを明らかにしています。
おわりに
生物学面白いですね。
この次に読む本は、コンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』に決めました。
→読み終えたので感想を書きました。