はじめに
昨今、話題になっている「人工知能」……
僕は、シュタインズ・ゲートゼロの影響で、人工知能に興味を持ちました(笑)。
なんと俗物的な(笑)!!!
横に逸れました。
かくして、シュタインズ・ゲートゼロの影響をもろに受けた僕は、「人工知能」に関する本を探しに、ジュンク堂に行きました。そこで、手にしたのが『人工知能と経済の未来――2030年雇用大崩壊』です。
こんな人におすすめ
- 人工知能と経済の関係性を知りたい人
- 人工知能に興味のある文系学生
・評価
非常に興味深く、おもしろいです。
人工知能がどうのように経済へ影響するのか、わかりやすく(テクニカルタームを説明しながら)論じています。
したがって、経済学を学んでいなくても、理解できます。
・この本の目的
人工知能が経済に対し、どのように影響を及ぼすのか。
⇒特に、汎用人工知能が2030年に出現するならば、経済システムの構造がどのように変化するのか。また、経済成長や雇用がいかなる影響をこうむるのか。
・筆者の主張
汎用人工知能が普及した世界には、ベーシックインカム*1を導入するべき。
・感想
僕がはじめに驚いたのは、ユナボマーという爆弾魔が科学の発達の妨害をするために科学者やエンジニアに爆弾を送りつけていたということです(ハードナッツ!というドラマの1話2話に出てくる犯人は、この事件がモデルでしょうか?)。天才ゆえに未来を見通してしまい、悲観してしまったのでしょうか。凡人の僕には、理解不能な思考です(笑)。
本の内容に入ります。
2030年には、汎用人工知能の開発のめどが立つそうです。そして、2045年には、AIが人の知性を超える時(シンギャラリティ=技術的特異点、特異点)とされているそうです(筆者は、2045年までにシンギャラリティが生じることに懐疑的だそうです*2)。
また、ディフュージョン*3の期間が短くなっているため、労働者を駆逐する期間もまた短縮されるそうです。そうなると、「技術進歩*4」は、経済成長を促すだけでなく、「労働移動*5」を上手く機能させず、「技術的失業」をもたらすという可能性が出てくるそうです。
うむ、なるほど。確かに、そうかもしれないです。
しかし、AIが人間と補完的な関係ならばよくない?と思っていました。例えば、自動運転技術が普及しても、きっと運転手さんと話したい人もいますよね。だから、そのようなニッチな存在(ニッチと表現してよいのか分かりませんが……)として、勝ち残るんじゃないのかと。そのような存在が、一定数他の仕事でも存在するとしたら……
ところが、すぐにこの僕の甘い考えは砕けました(笑)。
筆者曰く、「局所的には補完的でも全体的としてみれば代替的ということが多くみられる」そうです(笑)。確かにそうですよね。AIによって、大部分の仕事がなくなるとされているわけです。すると、大部分の人が労働移動する必要があり、失業が生じるはずですよね。つまり、移動する先に仕事がないといけないわけです。しかし、AIによって、仕事先がなくなりつつあると……。
しかし、筆者曰く、「クリエイティヴィティ系」、「マネージメント系」、「ホスピタリティ系」の仕事は人間でも汎用AIに負けない領域だそうです。
小説を書く、映画を撮る、発明する、新しい商品企画を考える、研究して論文を書く、「クリエイティヴィティ系」。
工場・店舗・プロジェクトの管理、会社経営をする、「マネージメント系」。
介護、看護、保育、インストラクタなどの「ホスピタリティ系」。
つまり、不測の事態に対して、人間的な感覚がないと対処できないような仕事だそうです。
これらの仕事に就くのは、さらに競争率が高くなりそうですね……。
また、2030年ごろから純粋機械化経済へ移行が起こり、機械が人々の雇用を奪い続けると、2045年くらいに、人口の1割ほどしか働いていない社会になる可能性もあるそうです。すると、資本家の取り分は限りなく増え、労働者の取り分は限りなく少なくなっていくそうです。
そこで、ベーシックインカムが必要になってくるそうです。
純粋機械化経済では、年々成長率が上昇して行き、爆発的な経済成長がなされるので、同時に得られる税金も爆発的に増えるそうです。つまり、実り豊かな経済の恩恵が訪れるそうです。
すると、100兆円ほどかかるとされている、ベーシックインカムを享受できるそうです。
おわりに
あくまでも、可能性の領域でしかないので、悲観的にならずに、未来志向的に人工知能を活用していけられるとよいですよね。