迷走ブログ

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『砂糖の世界史』の感想。

『砂糖の世界史』を初めて読んだのは、大学1回生の頃に講義の中で紹介された時です。それ以来、棚に置いたままでした。ところが、先日、棚を整理整頓をしていたら、もう一度読んでみようと思いました。

 

・評価

世界システム論と歴史人類学という方法によって、世界商品となった砂糖の歴史を考察しています。そのため、世界的なつながり、相互作用が見えてきます。したがって、歴史学がすごく面白い学問であると思い知らされました。

 

・感想

そもそも、歴史学とは、どのような学問なのでしょうか。

筆者は以下のように述べています。

歴史学というのは、たんに昔のことを調べる学問ではありません。いまある世界がなぜこのようなになっているのか。ここにくるまでにはどのような歴史的変遷があって、いまこうなっているのか。そういうことを研究するのが歴史学なのです。昔から「すべての歴史は現代史である」などといわれるのは、このためです(川北:p204)。 

 なるほど、ある時代、ある地域の人々の暮らしだったり、習慣だったりを理解するためには、様々な文脈や背景への理解が重要であるということですね。

 

そこで、『砂糖の世界史』は、砂糖という商品を通じて、近代の世界を見ているわけです。

 

本の内容は次の通りです。

主に砂糖はカリブ海プランテーションで生産されていました。しかし、そのプランテーションで労働に従事していたのは、アフリカから強制的に連れてこられた黒人の奴隷です。ところが、砂糖が消費された場所は、ヨーロッパであったのです。

つまり、奴隷貿易を中心とした三角貿易ですね。

 

特に興味深かったのは、ヨーロッパにおいて砂糖が消費されるようになった背景です。イギリス人が砂糖を求めたのは、お茶に砂糖を入れることで、ステイタス・シンボルとしてアピールするためだったからだそうです。紅茶という上流階級のステイタス・シンボルにさらに砂糖というステイタス・シンボルを重ねました。

 

その理由は、

イギリス人全体が、上流階級の物まねをしたがる国民だったからだ(川北:p81)

と言われているそうです。つまり、誇示的消費をしていたということでしょう。

 

そのようにしてイギリスでの砂糖の需要が高まったそうです。また、アフリカからの大量奴隷の供給によって、カリブ海からの砂糖の輸入量が増加したそうです。同時に、お茶に砂糖を入れるために、中国からのお茶の輸入が増加したそうです。そのようにして、砂糖革命が起こったそうです。そして、世界の一体化へつながったそうです。

 

引用文献

・川北稔、1996、『砂糖の世界史』、岩波ジュニア新書

 

 

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)