はじめに
社会学は幅広い学問だと思います。そして、幅広い問題や課題を様々な視点から解決しようとするところや社会の見えずらい側面を明らかにしようとするところに社会学の面白さがあるように思います。
例えば、マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの 倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)』があります。
この本は、資本主義という俗的な経済システムを明らかにするために、キリスト教の宗派であるプロテスタンティズムという聖的な宗教倫理を用いて、理論的な逆説という方法で論じています。
僕はこの本を読んで、鋭い視点で議論を展開することに感銘を受けました。そして、社会学に関する本を読んでいるうちに、ゲオルク・ジンメルの『ジンメル・コレクション (ちくま学芸文庫)』に行き着きました。
こんな人におすすめ
- 社会学とは何ぞやと知りたい人
- これから社会学を専攻する学生
- 世の中の常識を疑うという思考を身に付けたい人
評価
良いと思います。
感想的なもの
ジンメルとはどのような人物なのか
ジンメルは、ユダヤ系として大学のポストをなかなか得られなかったことで、「異郷人(よそ者)」の視点でものごとを観察することに成功したそうです。
社会学の教科書を読んで理解できたのですが、ジンメルの視点として、「内と外」というテーマの際、「異郷人(よそ者)」、「貧者」という視点から研究するという特徴があるそうです。
それに対して、マックス・ウェーバーは、『プロテスタンティズムの 倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)』や『古代ユダヤ教 上 、中 、下』といった研究対象に対してまとまった説明をしています。一応、上記の本は読みましたので、一連の研究の流れは、感じ取れたと思っていますし、やはり一貫性はあるのかなと感じました。うまく言語化できませんが。
個人的に、ウェーバーから社会学の本を読みだしたので、ジンメルよりマックス・ウェーバーの方が好きです(意味不明)。
社会学という学問の幅広さについて
冒頭においても書きましたが、社会学は幅広い学問です。
それこそ、統計的な観点から特定の地域を考察したり、はたまたグローバルな問題を取り扱っていたりと、対象が幅広いです。そのため、わけがわかりません。
ところで『ジンメル・コレクション 』では、どのようなトピックに言及されているのかというと、ほんとに様々なことに言及しています。
はじめに愛だとか、女性心理だとかに言及しているかと思ったら、取っ手の話が言及されていたりと、社会学者はこんなにも様々なことに普段から思いを巡らすのかと、感心しました。学者なのだから、それが当たり前だと言われてしまったら、そうなのかもしれませんが。。。
おわりに
この本を読むことで、日常の出来事や習慣に対して鋭い視点(ひねくれた視点)を持つことへの訓練になるのではないでしょうか。